21 地獄の3丁目へようこそ(ツインレイ沼)

【シンクロニシティ 呼ばれた?】

シンクロニシティは、
先生に引き寄せられていると
思わずにはいられない出来事が、続いていた。

お礼の手紙を渡したあとの、
次の診察予定は、2カ月先だった。

それなのに、
急に体調を崩し、受診が必要になった。

――あ、先生に呼ばれている。

私は、即座にそう考えた。

予約外の診察にもかかわらず、
思いのほか早く、番号が呼ばれた。

「こんにちは……先生、すみません。
予約ないのに……」

「大丈夫ですよ。
手が動かない?」

「はい。左手なんですけど……」

抗がん剤の副作用で、
末梢神経がダメージを受け、
指先が固まって動かなくなっていた。

先生は、私の手を診察しながら、
ふと、こう言った。

「……この間は、ありがとうございました。
お手紙も……」

そう言って、
白衣の左胸に差したボールペンを、
指さした。

――私が渡したものだった。

「いえ、いえ!
かえって、すみません。
お気遣いさせちゃって……」

その瞬間、
私の中の“予感”は、
確信に変わった。

――この人は、
私の魂の片割れだ。

どんなに医師の仮面をかぶっていても。
どんなに距離を取ろうとしても。
私たちは、つながっている。

そう、思った。

死んでしまうのではないかと思うほど苦しくて、
何とかしたくて、
人生最大の勇気を振り絞って渡した、あの手紙。

あれは、
告白というより、
限界だった。

もし「ツインレイ」というラベルがなければ、
職業倫理なんて無視して、
もっと直接的に伝えていたはずの言葉。

それを、
何重にもオブラートに包み、
包装紙でくるみ、
緩衝材を詰め、
それでも足りなくて、
箱に入れた。

――あの時の私の想いは、
きっと、そんな感じだった。

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