15: 地獄の3丁目へようこそ(ツインレイ沼)

【サイレント期間とは結局なんだったのか②】

「私と彼は、サイレント中です」

そんな動画や投稿を見て、
「みんな苦しいよね」と、
私は自分で自分を慰めていた。

たくさんのツインレイ専門家やインフルエンサーが、
声を揃えてこう言う。

ツイン男性はシャイで、
心に深い傷を抱えていて、
愛を受け取れない存在なのだと。

ツイン女性は、
その彼にとって、眩しすぎる存在なのだと。

だから――
執着せず、
彼の弱さも、強さも、
すべて受け入れろ、と。

……そもそも。

好きな相手に、執着するなという理論は、
一体どこから来ているのだろう。

好きな相手に執着しない関係なんて、
それ、ただの友達じゃないのか。

好きな相手に、
気持ちを確かめてはいけない理由って、何だ。

そのくせ、

「ツインレイと出会ったら最後。
今世で結ばれなくても、
永遠に切れることはない」

そんなロマンチックな話も、
必ずセットで添えてくる。

どれもこれも、
異論しかなかった。

それでも私は、
このルールを破ったら、ツインレイ失格。
彼とは二度と会えない。

そんな呪いを、
自分自身にかけていた。

涙が止まらない。
呼吸が苦しい。
夜は眠れない。

それでも、我慢。

我慢。
我慢。

どんどん、
自分じゃなくなっていく。

ツインレイとは、
「自分の魂に戻ること」
「自分を愛すること」
……らしい。

「頼んでねーっ!」

ワタシは、
自分のこと、大好きだし、
愛してるっつうの!

余計なお世話だ!
こんなツインレイ、
やめてやる!

何度、怒り狂って、
泣き叫んだかわからない。

気がつけば私は、
ツインレイという、
行き先もわからない船に放り込まれて、
勝手に大海原を航海させられているような感覚だった。

どんなに悪態をついて、
泣き疲れて眠っても、
次の朝には、
また我慢大会が始まっていた。

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